レポート「もりっこキャンプ~ドキドキ大冒険!森のなつやすみキャンプin遠野~」
2024年8月5日~8日、遠野森のがっこうで3泊4日のキャンププログラムを開催しました。今回は小学校4年生から中学2年生までの子どもたち16名が参加してくれました。森に囲まれたフィールドで、自分たちの手でつくる4日間の共同生活です。
【1日目】
いよいよ4日間のプログラムがスタート。
はじめましての子も、何度か会っている子も、みんなで顔合わせ。オリエンテーションの中で、スタッフの照井(ニックネーム:ばなな)から、みんなに伝えたいことを3つお話ししました。
- 自分たちの手で生活(食べること、寝ること、お風呂に入ること等)をしっかりやりきろう
- メンバーみんなが楽しかったと思える4日間にしよう
- 自分の身は自分で守ろう
アイスブレイクでは学生スタッフが用意したちょっとしたゲームも行いましたが、この頃はまだみんな緊張した不安そうな顔。果たしてこのメンバーで、楽しい4日間を過ごせるでしょうか。
オリエンテーションが終わったら、テント班ごとに協力してテント設営。
このテント設営はチームビルディングにもなると思っています。自然とリーダー的存在の人が出てきて、説明書を見ながら指示を出してスムーズに組み立てていく班、みんなであーだこーだ言いながら自然と役割分担ができて組み立てられていく班、それぞれの班でそれぞれの子どもの動きや関係性が見えてきておもしろいです。
お昼ご飯を食べた後は、フィールドの全体像を把握するためにまわりの森を散歩。
雨予報もある4日間。晴れている今のうちに、できるだけ薪集めもしておきます。
暑かったこの日。急遽、川で少し涼むことに。少しの時間でしたが、冷たい川の水であそび、クールダウンできました。
その後、学生スタッフとして参加してくれた岩手大学ツキノワグマ研究会に所属するメンバーから、ツキノワグマに関するクイズと説明の時間をつくりました。遠野森のがっこうがあるあたりもツキノワグマが生息するエリア。ただただ怖がるのではなく、正しい生態と対応方法を知り、共生していく道を探りたいものです。
そして、夕食づくりと風呂焚き。
このキャンプでは薪で炊事もし、ドラム缶風呂も沸かします。
1日3度の食事の支度と、風呂焚き。大変ですがとても大切なこと。時間がかかっても自分たちの手で、やりぬきます。でもそうやってできた食事やお風呂は、格別なんです。
2日目
2日目の午前中は、オッホーの森に森探検へ。きのこを発見したり、木登りをしたり、たっぷり森の中で楽しみました。この頃には昨日の不安そうな顔はどこかにいってしまって、はじける笑顔がたくさん見られました。
午後はフリータイムのあと、明日の夜のメニューを班ごとに話し合いました。ゲームで班ごとに食材カードをゲットし、班会議の中でゲットした食材カードをもとにメニューを決めます。みんな明日の夕食がかかっているので、とっても真剣。なかなか盛り上がっていました。
そしてこの日の夜は、近くの牧草地までナイトハイキングへ。
真っ暗でしーんと静かな夜を歩くと感じる、怖さと隣に仲間がいる安心感。姿は見えないけれど虫の鳴き声や、獣がガサゴソ動く音も聞こえたりします。昼間歩くと5分くらいのちょっとした道のり。でも、夜に歩くと小さな冒険でした。
3日目
3日目の午前中は楽しみにしていた子も多かったシャワークライミング。
準備体操をし装備を着用して、川で遊ぶときの注意点を確認した後、遠野森のがっこうのすぐ近くを流れる滝川に入り、いざ上流に向けて歩き出しました。
川の水のダイナミックさを身体全体で感じながら、1時間ほどのコースを歩きました。シャワークライミングはチームプレーでもあります。子どもたち同士、互いに声を掛け合ったり、手を貸したりする姿も見られて、頼もしく感じました。
午後は、雷の音がゴロゴロしてきたので、オッホーの森の家に退避。当会代表(ニックネーム:ボス)が毎年夏のこのキャンプで歌をつくるのですが、今年ももりっこキャンプの歌をつくろうということで、歌に入れたい歌詞や曲のタイトル、曲調などの案を出し合いました。
今夜雷と雨が落ち着くことを願って、キャンプファイヤーのときにみんなでやるマイムマイムやオクラホマミキサーの練習もしました。オクラホマミキサーは入れ替わりなどもあって難しく、最初はみんな混乱していたのですが、30分ほどの練習でみんな踊れるようになりました。
そして夜。雨が弱まり、雷もだいぶ遠くなっていたので、キャンプファイヤーを決行することに。
キャンプファイヤーの火が美しく、子どもたちも火の粉が舞う様子がとてもきれいだと言いながら、眺めていました。
「アブラハムの子」や「マイムマイム」、「オクラホマミキサー」をみんなで輪になり踊り、ボスがつくったキャンプファイヤーがテーマになった、今回のもりっこキャンプの曲を聞きました。
忘れられない記憶にのこる夜になりました。
4日目
最終日。午前中は、4日間を振り返りながら創作の時間。
オブジェをつくったり、炭で絵を描いたりして、4日間の思い出をカタチにしました。
それぞれの個性が現れ、意外な一面も見られるような、それぞれの作品ができあがりました。
そしてお昼はBBQとスイカ割り!
食べた後は、自分の荷物やテントの片付け。もう終わってしまうのか、とさびしくなりながら、みんな片付けをたんたんとやりました。
自分の荷物を運び終わった後、たくさんの荷物を重そうに運んでいる他の子の荷物を持ってあげる姿が見られたり、自分たちの班のテントを片付け終えたら他の班を手伝ったり、スタッフが何も言わなくとも、そんな互いを思いやり助け合う姿が見られて、この4日間でこのメンバーの中で生まれた関係性と、それぞれが持っている優しさに感動しました。
あっという間におわりの会。
ひとりひとり4日間をふりかえって感想を発表し、スタッフから修了証書がおくられました。
みんないろんなことに挑戦し、大切な経験をした4日間。どんなに気分が乗らなくても、雨が降っていようとも、毎食ご飯を自分たちでつくり、毎日お風呂も沸かし、投げ出さずにやり抜きました。各々が自分なりの精一杯で取り組みました。決して自分一人がその場をやり過ごせればそれでいいのではなく、仲間のことを思い行動しました。それが自分にも還ってくることを知りました。
自分たちで4日間の共同生活を無事に楽しく終えられたことに自信を持ち、この経験を大切にこれからを生きていってもらいたいと思います。
君たちはこれからもきっと、大丈夫!強く生きられるよ~!
素敵な4日間を、ありがとう~!