News

お知らせ

【開催レポート】遠野 森のファンタジー〜影絵の舞台をつくる2日間〜

2024年にも開催したこちらのプログラム。
この夏も世界で活動している影絵ユニット ほしふね hoshifuneのおふたりが森のがっこうに来てくださいました。

今年のテーマは「わたしの星」
ひとりひとり、私の星からくるとっておきのオリジナル星人を作ります。

1日目

初めましてのお友達と、まずは自己紹介から。
おじいとおばあの登場に子どもたちもドキドキ。

自己紹介の後は早速、お外へ。

外ではまず、遠野森のがっこうオリジナルの“カッパケチャ”の練習です。

バリの文化の一つである“ケチャダンス”を遠野風にアレンジ。バリでは13種類のリズムを“チャッチャッチャッ”と口ずさむそうですが、遠野ではカッパにちなんで“カッパッパッ”。2種類のリズムを2チームに分かれて重ねていきます。一つ目のパートはなおかさんと一緒に”カッパッパ”。もう一つのパートは小谷野さんと一緒にひとつリズムをお休みして”カッパッパ”とリズムを刻みます。ズレるリズムに惑わされないように自分のパートを刻みます。どうしてもダンスしたい子は“フリーカッパ”としてみんなの輪の中でダンスをすることに。

森のがっこうではそれぞれの“したい、やってみたい”を尊重することを大切にしていますが、この時も自分勝手に過ごすのではなく、「周りの音を聞きながら」自分を発揮することをケチャの練習を通して教わります。

“カッパッパッ”のリズムを刻んだあとは森探検へ。

くまさんも住むこの森へ、ほしふねのなおかさんから教わったお腹の底から声を出すやり方でみんなで“やっほ〜”とご挨拶。大きな声を思いっきり出すのは気持ちいいですね!

森探検ではターザンの木を見つけてターザンごっこをしたり、
お気に入りの葉っぱを拾って仮面を作ってみたり、
後半は川辺へ行き、お水にタッチ。透き通っているお水がとても綺麗でした。
最後は森の音に耳を澄まし、鳥や虫の声、風の音を感じます。
各々のペースでからだいっぱいに森を満喫しました。

帰ってきてこの日のお昼はうどん。お野菜を自分の好みでトッピングしました。

お昼を食べたあとはいよいよ、影絵のパペットづくりの工程へ。

自分の好きな世界を思いっきり表現してみよう!とほしふねのおふたり。

・どんな星から来たのか?

・そのキャラクターは何ていう名前で得意なことはなんなのか?

・好きなこと、好きな食べ物はなにか?

まずは構想を紙に書いていきます。

構想がある程度決まってきたら次にキャラクターづくりへ。メインとなるキャラクターを決めて、絵を描いてみます。今回は絵を描くのが好き!という子が多く、自分の得意を活かしながらお気に入りのキャラクターを描きました。

次にキャラクターを切っていきます。大きめのキャラクターを作った子はハサミでチョキチョキ。細かな形がある子はカッターを使って切ります。
キャラクターの模様や線を表現したい箇所はトントンと木のトンカチを使って穴を空けていきます。

初めてカッターを使う子もいましたが、とても上手に使えていました。

キャラクターができたら次に、どのように動かすのかを考えていきます。

“耳で空を飛ぶ”キャラクターを作った子は耳がパタパタ動くように。しっぽがうごく猫ちゃん、前足が動く猫ちゃんもほしふねのおふたりのサポートもありながら誕生しました。

キャラクターが早く出来上がった子は影絵の舞台の設営をお手伝い。長い竹を組み合わせて舞台を組みます。紐を通したり、ネジを回したり。ほしふねの小谷野さんに教わりながら一緒に組み立てていきました。

この日は晴れていたので夕方はお外でドラム缶風呂に入りました。お湯加減もちょうどよかったようでとても気持ちよさそうでした😌

そうこうしているとあっという間に夜ご飯のじかんに。

この日の夕食はナゲット、豚汁にご飯など。豚汁をおかわりするなど子どもたちも盛り盛り食べ、なんとお鍋は空に。完食です。

夕飯後、自由時間を過ごしたあとはオイルランプづくりを行いました。
災害の時にも家で簡単に作れるランプの作り方です。
まず、綿をこよるところから。手のひらを使ってネジネジと、ランプの芯を作ります。

耐熱ガラスとカップをほしふねのお二人からプレゼントしてもらい、ひとりひとカップを手元におき、オイルを注いで芯をつけていきます。夜の時間も相まってか、じっくりと集中していて、静かな中でオイルランプ作りが進んでいきました。
この時に火の怖さ、気をつけることを聞き、子どもたちも注意して取り組むことの大切さを知ります。

ひとりひとつオイルランプが完成したらすっかり外も暗くなりました。

あたりが暗くなったら影絵を観るのにベストな時間。明日子どもたちが挑戦する影絵はどんな舞台なのか?ほしふねのお二人が影絵のパフォーマンスを見せてくださいました。

ゆらゆらと灯る炎。生火に照らされる影。

光があるから影がある。私たちの世界にはどちらも存在していることを教えてくれます。
ほしふねのおふたりの物語に惹き込まれる子どもたち。
明日のパフォーマンスがさらに楽しみになります。

影絵を見た後は、ほしふねのお二人からひとりひとりのオイルランプに炎が灯されました。

じっくりと炎を見つめる時間。再び静寂に包まれます。
今日がどんな1日だったか、振り返って、感じたことをお話しする時間になりました。

炎のあかりをみんなで吹き消し、そろそろ就寝時間。

まだまだ元気な子どもたち。お外を歩きたい!という子たちはボスたちと一緒にナイトハイクへ出かけました。
森のがっこうの周りは街灯が少ないため、星もよく見えます。

20:30にはみんな帰ってきて、この日は21:00ごろに就寝しました。

2日目

翌朝は早い子だと4:00には目が覚め、5:30ごろから子どもたちは本を読んだり、お絵描きしたりしていました。
6:00ごろからゆで卵を剥くなどして朝ごはんの準備を始めます。
朝食はパンにサラダとヨーグルト。予定よりも1時間早く準備ができ、7:00にはいただきますをしていました。

みんな朝から元気が有り余っていたのでスケジュールを変更し、牧草地を目指して朝散歩へ。途中でセミを捕まえたり、お花を摘んだり。牧草地ではやまびこを試してみようと「やっほ〜」と叫んでみるも、、、返答なし。笑 コツがいるようでした。

帰りの道中も植物や生き物の観察をしながら帰ってきました。

2日目の午前中はキャラクター作りの続きの作業をしたい子はキャラクターを作り、すでにキャラクターが出来上がった子は舞台で使う音楽を作ります。

影絵のパペットは大きな形だけではなく、細かいお菓子の形を模ったり、穴を開ける作業に熱心に取り組んでいたり、2日目も引き続き集中して取り組んでいました。パペットはひとり平均3,4個は作っていたと思います。

楽器チームは小谷野さんを中心に、ほしふねの持ってきてくれた楽器を使って音楽を作っていきます。楽譜はありません。テーマを決めてそれに合わせて楽器を選び、周りの音を聞きながら、セッション形式で音楽を作ります。

普段学校の授業ではリコーダーが吹けないから音楽が苦手、音楽はできないと思っていたお子さんもいらっしゃいましたが、この日はのびのび、感じるままに太鼓やガムラン、タングドラムを叩いたり、鈴や鉦を鳴らしたりと、終始楽しんでいました。
それぞれがやってみたい楽器にチャレンジしながらみんなと合わせてセッションする。
ここでも自分一人ではなく、全体の音を聞きながら奏でることを小谷野さんから教わります。
しっとりした曲からリズミカルな曲まで。同じ楽器を使っていてもどんな表現をするかで雰囲気が異なってきます。小谷野さんのサインに合わせ、どんな曲を演奏するのかを決めていました。

みんなのキャラクターが出来上がり、音楽も完成したところでお昼休憩。
ご飯をいただいた後は一旦お昼寝タイムをとりました。
早起きだった子は4:00から起きていたので小1時間ほど休憩を挟みました。

お昼寝の後はいよいよリハーサルに向けて準備です。

起きてきたらまずは眠気覚ましに”カッパケチャ”の練習から。

カッパッパと唱えるだけでなく、手を動かす振り付けもつきました。

お互いを感じながら、カッパッパのリズムを釣られないように唱えます。

カッパケチャを終え目が覚めてきたところで、自分がつくったパペットと好きなこと、ものをみんなに紹介していきます。オリジナルで名前をつけたり、影絵だからこそできる表現をしていたり。ひとりひとりの異なる世界、どの世界もとても素敵でした。

その後は舞台をお客さんに見せるための流れの確認をします。

どんな合図で子どもたちが登場するか、登場したらどんな流れで待機するのか、発表の際の導線やパフォーマンスする時の注意点などを確認しました。

自分の出番になったらどんな流れで何を話すのか。ドキドキしながら考えた子もいました。

全体の物語を考えて、次の子にストーリーがつながるようにお話をしている子もいて素敵でした。

全体の流れや自分の順番、話す内容が決まってきたら火をつけてみてリハーサルをすることに。子どもたちも火に注意しながら真剣に取り組みます。リハーサルをしてみて、セリフの中身も少しずつアップデートしていきます。

約1時間のリハーサルを終えたら、夜ご飯の時間に。

カレーを食べて本番に向けて英気を養います。カレーは3杯もおかわりしている子もいて気持ちの良い食ベっぷり。あっという間に完食でした!

夜ご飯を食べた後はいよいよ発表の時間。外もだんだん暗くなってくる頃に保護者の方も少しずつ集まり始めました。

客席のお客さんがいっぱいになったところでちょうど始まりの時間。

舞台のスタートです。

始めにボス河童が登場し、ボスの”カッパー”の合図で登場する子どもたち。

まずはカッパケチャのお披露目です。

練習してきたカッパケチャを初めてお客さんの前で披露。お客さんとの距離も近く、子どもたちがとっても緊張している様子が伝わってきました。小谷野さんをリーダーとし、各々のパートを一生懸命唱えていました。

カッパケチャ最後の「カパカパ!」を終えるとお客さんたちから大きな拍手。

いよいよ影絵の物語の始まりです。

音楽の演奏と共に順番に”わたしの星”の世界を発表していきます。

舞台の裏でサポートしていたスタッフのばななによると本番のみんなの顔つきがリハーサルまでとは違って、ぐっと込み上げるものがあったと教えてくれました。

練習で確認したことを踏まえて望んだ本番。影絵の影も上手に投影されていました。キャラクターの動きも練習通りバッチリ。みんなの発表の声もお客さんにしっかり届いていました。音楽もお話の流れにあっていて即興とは思えないくらい世界観を作っていました。発表のスムーズで、思い思いの世界を表現していてみんなとっても素晴らしかったです!

発表の最後にほしふねのなおかさんが
「この世界はみんな、それぞれの好きで溢れている」とおっしゃっていて、
大人になるにつれて、色々なことを感じて、やらなきゃいけないこととか、我慢しなきゃいけないこととかがあって、なんだか好きなことを忘れてしまうけれど、
本当はこの世界は好きで溢れてるんだよな!と私自身にとっても響くメッセージがありました。

この影絵のキャンプを通じてほしふねのお二人は「イメージしたことから自分の好きな世界をたった2日間で作れるんだ」ということを私たちに教えてくれました。

発表の後、森のがっこうスタッフのばななから総評がありました。

「子どもの頃、私はすごい世界やすごいことができる人は自分の手の届かない遠くにあるって思ってたけど、今日みんなが自分の好きな世界を表現していて、すごい世界は遠くではなくて、今目の前に、ここにあるんだっていうこと、自分がすごいものを生み出せるんだってことを知ってもらえたら嬉しい」と涙ながらに話していて、私も胸を打たれました。

なんだか今ここ、目の前にあることや置かれている環境って当たり前になってしまって
そこに”すごさ”とかトクベツを見出すことってなかなかできないこともあるけれど、
実は今、私たちが生きている、イマココがトクベツな日常であり、好きなことに溢れているんだ。ということを影絵のキャンプを通じて教えてもらったように思います。

参加してくれた子どもたち、そして、ほしふねのおふたり。
調理のスタッフの皆さん、キャンプのサポートをしてくださった皆さん。
送り出してくださった保護者の皆さん。

2日間、ほんとうにありがとうございました!

(文:スタッフあかり)